半年まえのあの日
トップで筆記を合格するも、最終的には不合格となり、この試験をもって年齢制限を迎えて公務員試験をうけられなくなる
というバッドエンドを見事に果たした僕は今、工場で働いています。
休憩時間に、薄暗くオイル混じりの埃臭い倉庫(工場)のシャッターを潜って外に出る。
その度に外の光を懐かしく思っている気もする。ただ、全身のコリをほぐしながら水筒のある車へと向かう。
気候はすっかり暖かくて、目の前をながれている汽水の川の向こう側の海から吹いてくる潮風が「春のおとずれ」を乗せてくる。
おそらくは何か植物の芽吹く匂いと、それを促す状態にある土の臭い。あとはわからないけれど、命のはじまった匂いがする。
3月。春は既に、始まろうとしてるし同時に終わろうともしている。
いつの日のためか。気まぐれに購入した紫色のvansの靴は、既に壊れようとしている。
気に入らない靴は、行きたい場所にははいていかないから。もう何度もあらゆる場所に履いてきたからこそ、もたない時が来ようとしている。
その靴を見下ろして、砂利を進む。
見上げた場所には、川のずっと向こうには、市役所の新庁舎が建っている。
あそこに、行ったことがございます。
(\パワプロ君ポケットぉー!/)