入れ歯つくってたとき
バイト先で虐められてたときのおばさんに銀行であった。
なんか見慣れたフリースきてんな、とおもったおばはんが娘にatmの使い方を教えていると思ったらそれだった。
何がすごいって髪型もかわってるのに後ろ姿だけで当人だと確信したこと。
恨みを細胞は忘れないのだ。
向こうも人の存在を認識した刹那、俺であると確信をしたとおもう。
驚いていたのか、怯えていたのか。年長者は挨拶を忘れていた。
娘がいたので、嫌みひとつ、声をかけることもできなかったが俺はただじっと見つめた。
なにもしない。ただそれだけだ。
相手に実は良心があったのか、それを痛めて直視できなかったのであろうか。それとも復讐されることを妄想したのか。
なんにせよ、人を殺してしまえないなら殺しに来ないことだ。いじめないことだ。
どんなに表面上に正当性をもとうと、悪いことをしたらかならずあとで怯えることになる。自分に非を作ってしまうから。
おばさんは、娘を大学にやりたいと悩んでいた。旦那がはじめた店は潰れたとかなんとか、このバイト先できいた。おそらく娘は大学にいくことができたんじゃないかな。
俺への態度はすべて余裕がなかったから、と思ってはやらない。
おれという理性はおばさんを恨まない。